点字付き絵本と点訳絵本の違いをご存知ですか。
今回は、点訳絵本の制作をしております、特定非営利団体活動法人「てんやく絵本ふれあい文庫」様より取材協力をしていただいました。
目のみえない人たちも絵本を楽しむ
点字付き絵本
点字付き絵本とは、画像のように店頭販売時には点字が加工されている状態の絵本です。絵本自体にエンボス加工がほどこされているため、点字の他、絵本の絵柄にも凹凸があり、絵を楽しむことができます。絵本が立体的に作成されています。絵本、一点、一点に加工が必要となるために、絵本の価格は普通の絵本に比べて高価なものとなります。
目の見えない子どもや目の見えない親が子どもに読んであげることができる絵本です。点字つき絵本には絵本の種類に限りがあります。世の中の全ての絵本を点字付き絵本として作成することができないためです。
てんやく絵本(点訳絵本)
点訳絵本とは、普段、皆さんが手にとるような絵本です。市販の絵本に透明のシートに、文章部分が点字に訳され、絵本のページの各部分に手作りの点訳シートが直接貼り付けられています。絵の部分もシートに触れて絵を感じることができるため、絵本の登場するキャラクターなども触れてわかるようになっています。
点字付き絵本のように文字自体に凹凸はありません。点訳されたシートが貼り付けてあります。
てんやく絵本はすべての絵本を手作業で、点字で訳し、手作業で絵本にシートを貼り付けています。
てんやく絵本は、目の見える子ども、親も楽しむことができますし、目の見えない子どもも楽しむことができる絵本です。そして何より、目の見えない親が子どもに読み聞かせることができる絵本です。
「目の見える、見えない。」というハンデに左右されることのない、バリアフリーな絵本ともいえます。
そして何よりのメリットは、既製品である本の「てんやく」であるため読みたい絵本を点訳し作成すると、どんな絵本でも親子で楽しめることができるのです。
ふれあい文庫のてんやく絵本
てんやく絵本を作成している「特定非営利活動法人 ふれあい文庫」
ふれあい文庫とは、大阪市で活動している「てんやく絵本」を無料で貸し出している団体です。
年間7000冊の絵本の貸し出しを行っております。
読者の希望や、性別・年齢・季節などに応じた絵本を選んで、無料貸し出しを行っています。
てんやく絵本の「ふれあい文庫」利用方法
ふれあい文庫を利用できる方視覚障がい者(児)本人、またはご家族、視覚障がい者の団体や施設などです。ふれあい文庫に直接、訪問するか、電話かFAXで申し込むことができます。必要事項登録後すぐに利用することができます。
訪問することが困難な方や遠隔地にお住まいの方は、郵送にて絵本が届きます。郵送料無料、点字郵便にて発送されます。
ふれあい文庫の開館日
ふれあい文庫の開館日は、水曜日~土曜日(年末年始、祝日は閉館)午後1:00~午後4:30までです。
電話でのお問い合わせは午後2時~4時までの2時間の間にお問い合わせください。
ふれあい文庫でできること
点訳絵本を借りる
ふれあい文庫では、点訳絵本の無料貸し出しをおこなっていますので、視覚に障がいのある方、またはその家族の方は無料で借りることができます。その他施設、学校関係者も点訳絵本を借りることができます。
個人の場合:1か月に3~5冊、点字郵便にて発送されます。返却後に次ぎの点訳絵本の発送がされます。
「1か月」と期間はありますが、それ以前に返却すれば、新たな点訳絵本を借りることもできます。
団体の場合:学校関係者、施設関係者の方も借りることができます。スペースが確保できる場合は、 1か月に30~50冊を借りることができます。
点訳絵本を郵送で借りる
ふれあい文庫までの、行くことが困難な方のためふれあい文庫では郵送(点字郵便)での点訳絵本の貸し出しを行っております。
点訳絵本をオリジナル作成してもらう
プライベートサービス:希望の絵本を点訳することができます。個人でてんやく絵本を所有したい利用者へのサービスです。
点訳絵本作り手としてボランティア参加する
ふれあい文庫では、点訳の育成活動もおこなっているため、初心者でも点訳のボランティアとして活動することができます。
点訳ボランティアの他、郵送貸し出しをする作業ボランティアの方も募集しています。
ふれあい文庫ではてんやく絵本の作成者の育成をおこなっています
点訳絵本を作成している「ふれあい文庫」でのボランティア募集
ふれあい文庫では、点訳絵本をボランティアの方たちが手作業で絵本を点訳しています。
お手伝い(ボランティア)を募集しています。
点訳絵本作成者の育成
カルチャー教室やふれあい文庫での直接指導のほか、全国各地の点訳ボランティア希望者には、郵便・電話での通信指導も行っています。
カルチャーセンターでの点訳講座は月に2回、作る練習を講座しています。
ご興味のある方は、ふれいあい文庫までご連絡ください。
ふれあい文庫の岩田美津子さん
今回、取材をさせていただきました、てんやく絵本ふれあい文庫の岩田美津子さんです。自身も全盲であり、子育てを通しての絵本について考えてこられました。全盲であってもどうにかして、こどもに絵本を読んであげたい。と考えて精力的に行動され作られた団体です。
現在はてんやく絵本ふれあい文庫の代表として日々、講座や点訳絵本普及の活動されております。
目に障がいのある、子ども、お母さんたちに少しでも、てんやく絵本が広がり親子でてんやく絵本が楽しめますように。
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